高野和巳 行政書士・僧侶

◎一切皆苦とは「人生は思い通りにならない」ということ

お釈迦様が残されたお言葉「一切皆苦」とは、人生すべてのことが苦しい、と理解するのではなく、人生は思い通りにならない、と理解するものであると考えております。

このお言葉は「私」の人生における大前提であり、真理であると考えております。

ただそうであったとしても、せめて安心して死を迎えられるように・・・と願っても良いのではないでしょうか。

昨今、「私」の死に対しては、事情が激変してきております。高齢社会、さらには人生100年時代などと言われるようにもなりました。

「私」が死を迎えるまで、病気にかかり、認知症になり、体が不自由になっていく。そんな「私」はどう生活をしていきたいか、どれほどの治療が必要なのか、どう死を迎えたいか、を事前に考えておかなくてはなりません。

なぜなら、もうその状況下では「私」は「自分のことを自分で」まともに出来なくなっているからです。

そして、「私」が死を迎えた後は「私」はもうこの世に存在しません。
遺された家族・子供たちに「財産はこことここにいくらいくらあるんだよ。

そして、この財産はこう分けるんだよ。決してケンカなんかしないんだよ。」と直接指示し伝えることは出来ないのです。

「私」はどう生きたいか?どう死を迎えたいか? -高野氏

高野和巳さん(行政書士・僧侶)
だからこそ、「私」が生きているうちに、さらに元気なうちに、病気になってから・体が不自由になってから「私」はどう生きたいか?どう死を迎えたいか?死を迎えた後、葬儀は?納骨は?法要はどうしたいか?「私」の財産をどのように遺したいか?など「私」の想いをきちんと残すべきと考えております。

その方法が、見守り委任契約・任意後見契約・遺言書・死後事務委任契約などの法的書類となります。
そして、その法的書類をすべて公正証書として作成しておくことが必要です。

そこまでしなければ、「私」は簡単に死を迎えられない世の中となりました。

残すべきものをきちんと準備し残しておくことは、今を生きること、安心して死を迎えること、さらには遺された家族・子供たちが安心していられることにつながります。

ご準備は、出来る範囲でかまわないと思います。私自身、年に3~4回、個人の遺言書に加え、業務の引継ぎ事項の遺言書を書き直しております。

合掌

 

※第3号「つむぐニューズレター」(新潟いのちの物語をつむぐ会)発行2019年(令和元年)5月1日(水)より抜粋
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